東大寺 万燈供養会





東大寺・万燈供養会の写真

夜に会える奈良の大仏様





あの奈良の大仏様が、あの東大寺が、万の燈籠の灯りに包まれる瞬間があるらしい

そう聞いた時から、私の頭の中はそのイメージで一杯

だって、僕の自慢の小説「奈良アートボックス」のクライマックスシーンと重なっていたから





そんなイベントがあるなら、是非とも訪れて写真に収め、「奈良アートボックス」と共演してもらいたい

これは万難あっても問答無用で撥ね退けて参加するしかない、最初から心は決まっていた





東大寺の万燈籠、年間2回だけのイベントで、ひとつは元旦に、もうひとつはお盆の8月15日に

この年の8月15日は夏休みの連休最終日だったから、もう1日有休を取って、夏休みを延長さぁ





日中の暑さが消えた夜7時、東大寺南大門の参道を歩いていると、もう結構な行列

30分ぐらいは入場待ちだったけど、それも貴重な経験かな

なんと、東大寺中門が解放されているじゃないか、それも参拝料はタダ

行列に並ぶみなさんもテンションがあがっていて、夏の夜の詩的イベントを心待ちにしている





いざ、中門を越えて本殿前に着いたら、それはもう特別な光景

奈良の大仏の大きさを愛して、東大寺を何度も訪れている僕でもびっくり





万の燈籠に照らし出された東大寺、燈籠が並ぶ通路が際立って美しい

良く見れば、開かれた観相窓の間から、奈良の大仏様が顔をお出しになっていた





景色にも見とれたが、僕の目的は写真だから、すぐに我に返ってカメラを構える

やっぱり三脚の使用は禁止で、ISO感度を工夫して、なんとかブレないように撮影さぁ

一眼レフを構える僕の後ろから、後続の見学客がやってきて、なかなか良いチャンスがない

いくつかカタチになる写真を撮ったら、奈良の大仏様に会いに行った





大仏様と夜にお会いするのは初めてのこと

小説の中で書いた、松明に照らされた東大寺内のイメージ、

現実になったその舞台に立ち、僕は大仏様と向き合う





あぁ、ここに踊り出す仏像がいれば、あの「奈良アートボックス」そのものが成立じゃないか

夜の顔を見せた奈良の大仏様だけど、実は昼間の顔と何も変わらない

もっと緩んだ表情を、あるいは思慮深いお顔を夜は見せると思っていたら、

多くの人が訪れる今夜だからか、いつも通りだ





大仏様の膝前で、お経を読み上げる僧たちの雰囲気が特別な夜を示していたなぁ





後ろを向いて、大仏様の視点で、やってくる人たちを見渡す

するとほら、あの小説のイメージ、列を作り、

手を取って盆踊りを始める人たちや仏像たちの姿があったじゃないか





無数の燈籠に導かれて、人々が美しい光景を創り上げている

その姿は、僕の小説の中だけにある空想ではなく、こうして現実世界にもあったのだ





僕はこの東大寺万燈供養会を肌で感じて、「奈良アートボックス」をもっと美しいものに書き足そうと思った

小説と写真に融合、現実世界の美しさも加味して、もっともっと美しいものを創り上げられるよ





唯一無二、貴重な体験となりました、東大寺万燈供養会、美しい一夜の夢







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